サマーセミナー「市民健康講座」(since 1997)
<主催:大津医学生会・同OB会、後援:大津市・大津市医師会>
5.具体的ながん対策
五つ目は、「具体的ながん対策」です。がんの原因は30%がたばこ、30%が成人期の食事・肥満であり、この二つだけで半分以上を占めています。すなわち遺伝以上に、その人の生活習慣ががんの原因となっています。また、図からもわかるように、喫煙や過度の飲酒が、被曝の何倍ものがんの発現リスクとなっているのがわかります。

そこで、生活習慣を改めることは最も重要ながん対策だといえます。また、検診者の1,000人に5人程度でがんが見つかるというデータから、健康だと思っていても、まずはがん検診を受け、本当に異常がないのかを調べることが大事だとわかります。
6.身体は老化、心は若いまま
そして、最後の項目は「身体は老いるが、心は若いまま」というものでした。身体の老化を素直に受け入れ、それに見合った活動をする。心は若いまま、知恵は死ぬまで増え続けるという主張です。
7.まとめにかえて
「がん」というものは、周りのサポートだけでなく、患者本人の取り組みも大変重要であることを、今回の講演を通して学ぶことができました。
また、少子高齢社会と言われますが、子どもを健やかに育てるためにも、女性の社会進出を支えるためにも、そして加齢に伴う認知症や生活習慣病の対策に取り組んでいくうえでも、「がんと向き合う心構え」のお話を通じて多くの示唆が与えられたように思います。
市民、専門家、行政関係者らの参加者に多くの感銘を与えてくださいました。山口先生には含蓄深いお話を本当にありがとうございました。先生の益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げ、続編を期待させていただきたいと存じます。
(文責:山口建・相澤魁人・安原聡志・大燗ケ也)
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