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サマーセミナー「市民健康講座」(since 1997)
<主催:大津医学生会・同OB会、後援:大津市・大津市医師会>

ここで、外来でよくある質問について述べたいと思います。まず、"このまま症状が進行して歩けなくなりますか?"という質問です。一般的な腰部脊柱管狭窄症は下位腰椎での狭窄がほとんどであり、歩けなくなることはありません。

次に、"手術が必要ですか?"という質問です。症状があって当院の外来を受診した人のうち約1/3以下のみに手術が必要になるため、すべての人に手術が必要になる訳ではありません。腰部脊柱管狭窄症の自然経過をまとめた報告があります。それらの報告では悪化した症例は15%から31%でした。当院では約16%に手術を行っておりました。

日常生活動作がどの程度障害されているか、または神経障害が馬尾型か神経根型かによって手術を必要とするかどうかを決めています。

歩行時間が5〜10分以下、歩行距離にすると100〜300m以下しか歩けない場合、日常生活動作が障害されていると思います。その他にも、ゴルフができるか、買い物に行けるか、バス停まで歩けるか、旅行に行けるか、散歩や山歩きに行けるかなど、その個人が日常生活にどれだけ不自由しているかで評価します。

また、腰部脊柱管狭窄症の神経障害形式ですが、神経根型は坐骨神経痛や大腿神経痛など、神経根への圧迫に伴う症状を呈し、馬尾型は、両下肢や会陰部のしびれ、異常知覚、排尿障害などといった馬尾への圧迫に伴う症状を呈します。混合型は両者が併存している状態です。馬尾型であれば、日常生活動作の障害程度によって手術を適応し、神経根型では、保存療法が効かない症例や手術希望がある症例のみに手術を適応します。

私たちが行っている手術は非常に低侵襲であり、狭窄の強い部位のみを除圧する方法(MILD:muscle-preserving interlaminar decompression)を行っております。まず、棘突起および椎弓などの骨組織を削り、黄色靭帯を露出します。その黄色靭帯を一塊で切除し、硬膜への圧排を取り除きます。さらに神経根への圧排を確認し、必要に応じて前方の椎間板の操作を行います。術創は2.5〜3cmです。

その他にも腰椎変性すべり症の症例では、小侵襲での椎体間固定術を行っております。腰椎変性側弯症に対しても、後方固定による側弯矯正術を行っております。高度な側弯や後弯に対しても矯正する手術を行っております。椎体圧迫骨折後偽関節に対する手術も行っております。

これらの矯正や固定の手術には椎体にスクリュウを打つのですが、椎体の前方に大動脈があり、椎体の後方には脊髄があり、挿入に関しては細心の注意が必要になります。そこで、脊椎ナビゲーション・システムを導入しております。このシステムを用いることで、スクリュウの位置、方向および深度がモニターに映し出されます。より安全に手術を行うように工夫を凝らしております。

ご清聴ありがとうございました。

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