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最後のステアリング委員会の際に、万博全体の責任者を務めた中国の華君鐸政府代表と、今回の万博の運営に当たって、何が一番大事だったかという話になり、華氏はこう書きました。「兼听則明」(聞けば即ち全てのことが明らかになる)と。そこで私も、その言葉の横に「率直対話」と書きました。正に、この精神を両者の共通認識として、この半年間を乗り切ってきたと思います。よく人の意見を聞き、腹を割って話し合うという、コミュニケーションの基本がやはり大切なのだと、今なお実感しています。この精神をもって臨めば、多少の意見の相違や隔たりも、最終的には何らかの形で上手く収まっていくのではないでしょうか。

中国が国際的なイベントをマネージしていくノウハウを習得したという点で、この上海万博の成功は大きな意義があったと思います。今回の成功は、今後の自信となるでしょう。そして自信を持つということは、余裕を身につけることでもあると思います。余裕を持つということは、他人の考えや意見を受け入れる度量の大きさ、広さを意味しますので、今後利害の相違や意見の不一致に直面したときにも、他の国々の考えや意見も受容していくことにもつながります。最近、東日本大震災のために、中国での民主化の動きに対する当局の厳しい規制などの報道があまり見られなくなっていますが、今回の万博のテーマの「BetterCity, Better Life」の方向に中国が向かっていくことを、期待したいと思います。そして、何よりも我々日本人がこの国難ともいうべき深刻な事態の中で、希望を失わずに、難局を乗り切って行きたいものです。こうした状況にもかかわらず、素晴らしい強さと節度を発揮しておられる東北の人々に世界のメディアが驚嘆しています。原発の避難区域内にもかかわらず、患者が動けない状況のため長い間現場に留まって治療を続けておられた医者や看護師の方々の「崇高な使命感」も人々に感動を与えました。

これから人々の命を救う最前線で活躍されることになる皆様方が、有意義な学生生活を送られることを心から期待いたします。

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つかもと・ひろし
1946年 滋賀県生まれ。
京都大学法学部卒業後、通商産業省入省。大臣官房企画室長、大臣官房審議官(地球環境問題担当)などを歴任。2002年から5年間JETRO副理事長を務めた後、上海万博において、日本政府代表、各国代表が意見を交わす上海万博運営委員会議長として活躍。2007年より財団法人貿易研修センター理事長、日欧産業協力センター事務局長を務める。

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