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白川博士の場合の「幸運」は、当然「触媒の過剰添加」です。「才能」は「もしかしたら電気が通るかもしれないと考えた」ことです。その二つの要素が重なって大きな発見につながった訳です。もう一つ例を出しましょう。それは有名なニュートンのリンゴの逸話です。ご存知アイザック・ニュートンはある日リンゴが木から落ちるのを見て、万有引力を発見したとされています。でも、これはあまりにも短絡的な話です。実際のところ、ニュートンよりもほぼ半世紀以上前のガリレオやケプラーの研究から、月が地球の周りを回っていること、回るに際して「遠心力」が働いていること、などがすでに理解されていました。これに対してニュートンは、それならなぜ月が遠心力によって地球から遠ざからないのかについての問題意識をもっていたそうです。だからこそ、リンゴが木から落ちるのを見たとき、月と地球の関係をリンゴと地球の関係に置き換えることができたのであろうとされています。つまり遠心力に釣り合う「引力」の概念の導入です。この場合の「幸運」は「リンゴの落下を見たこと」で、「才能」は「それを月と地球の関係に置き換えたこと」でしょう。

これらの例を眺めますと、この2例とも「問題意識をもって考えているところに、偶然にある現象が目の前に現れた。それを常日頃考えている問題と結びつけて大きな発見に育て上げた」という共通点があることに気づきます。これこそがセレンディピティーの真髄と考えるべきでしょう。常日頃からの努力の積み重ねがあるからこそ偶然が生きてくる訳で、ただぼんやりしているだけの人間には幸運が目の前を通り過ぎても分からないことになります。ですから、セレンディピティーとは、簡単に「掘り出し上手」とか、「幸運を招き寄せる力」と言って済ませることはできない、もっと必然の要素もある偶然と言うか、その人でないとつかめない幸運と言うか、そんなニュアンスがあることがお分かりいただけるでしょう。

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